登山未経験の富士山登山、初心者がツアーなしで挑戦した体験談を紹介
7月初旬~9月10日かけて、富士山に登ることができます。
この限られた2ヶ月間に、日本国内だけでなく世界各国から多くの観光客が富士登山に訪れます。
このシーズンになるとTVや雑誌の特集などで取り上げられるので目にする機会も多いと思います。
日本の象徴でもある富士山。
一生に一度は登ってみたい!
でも全く登山をしたことがない人でも登れるのだろうか?
そんな不安を抱えてる人は多いと思います。
私もそんな不安を抱えるけれども登りたい人の1人でした。
案ずるより産むが易し!
自分に言い聞かせて挑戦してみました。
登山未経験でも富士山は登れる
結論から言いますと、登山未経験の方でも富士山には登頂できます。
私自信、全く登山経験がありませんでした。
小学校の遠足で、低い山を登山した経験はありましたが、その程度です。
それでもなんとか登頂できました。
※この「なんとか」がポイントです。
文章にすると軽く達成できたように感じられるかもしれませんが、本当にギリギリのところでした。
とは言ってもご安心ください。
アスリート並みの身体的能力を持っている人のギリギリと、だらけた生活を送っている人間のギリギリには雲泥の差があります。
私の簡単な自己紹介をさせて頂きます。
・普段の運動量→ゼロ
・体型→ややぽっちゃり寄り
・運動→嫌い・苦手(中学・高校ともに文化部)
こんな私ですら富士山に登れました。
体力ももちろん大切ですが、何よりも大切なものは気力・精神力だと私は思っています。
気持ちが負けた瞬間に足が動かなくなりますので、いかに自分を先へ先へと奮い立たせることができるかにかかってきます。
忍耐強く立ち向かえるかが大きなカギとなりますので、富士登山を考えている方は心して挑んでください!
富士山登山、初心者がツアーなしでも大丈夫
富士山登山用のツアーというものが存在します。
ガイドさんが団体グループを率いて、ペースを考えて案内してくれます。
初めての場合、参加を勧められるケースがありますが、私は参加しなくて良いと思います。
というのも、初めて富士登山を行った時に、何組もツアーの団体さんが横を通り過ぎました。
その様子を見ていて、自分はツアーに参加しなくて良かったと正直に思いました。
なぜなら、そのツアー団体のペースに付いていく自信がなかったからです。
遅い人に合わせてもらえるとしても、自分が足を引っ張っていると分かっている状況に長時間いることは苦痛です。
「自分のせいでみんなに迷惑をかけている」
なんて、ただでさえ疲れているところに、周囲を気にしないといけない状況が自分には無理だと感じました。
友達同士のグループならまだしも、その日に偶然同じツアー仲間となった人達が大勢います。
私は始めから、ゆっくりゆっくり亀の歩みで登ると決めていたので、友達数人と個人で登りました。
ツアーでは休憩のタイミングも時間も決められてしまいます。
その点、個人の場合には好きな時に好きなだけ休むことができるので、周りに左右されたくない人は個人で行くことをオススメします。
逆に、全て決めてもらった上で参加することを楽だと感じる方もいると思います。
その方にはツアー参加をオススメします。
富士登山に挑戦した初心者の体験談
登山経験もなく、富士登山をすることになったのは、会社の同僚に誘われたからです。
日本の1番高い場所に自分の足で行けるなんて、なんて面白そうなんだろう!と思い、二つ返事でOKしました。
装備は揃えた方が良いと思い、リュック、登山靴、タイツ、ヘッドライト、レインウェアは専門店で購入しました。
足を傷めては元も子もないと思ったので、靴とタイツは登山専用の物を買いました。
また持ち物全てを収納できるくらいの大容量リュックを持っていなかったので、リュックも登山用の物を買いました。
富士登山をする2週間前くらいから、週末は1時間ほどウォーキングをするようにしましたが、それ以外のことは特に何もしませんでした。
初めてなのに、山小屋を予約することもなく、弾丸を決めていました。
といってもスピーディーに登るのではなく、ご来光に合わせてゆっくり登ることを心に決めていました。
当日は自分の車で、富士吉田の5合目に15時くらいに着くように行きました。
軽く準備運動をしたり、高度に順応させるためにも雑談などをして2時間程過ごしました。
ちなみに、富士山の5合目の標高ですが、富士吉田口で2305mです。すでにやや高いです。
富士山の登り口は1つではなくいくつかあります。その中でも初心者には富士吉田口がオススメです。
距離が長い分、緩やかな道です。
荷物の確認などをして、17時頃出発。
神社で無事を祈願して出発しました。
歩き出して二時間ほど経過したところで、すでに息切れを起こし、これはキツいと思いました。
序盤でこれなので先が思いやられます。
でも来てしまったからには引き返すわけに行きません。
背中が曲がったおじいちゃんおばあちゃんが、軽々と隣を抜いていきます。
もう進むしかないんだ!
ただ前だけを見てひたすら歩きました。
途中、何度ももう引き返そうか?と何度も頭をよぎります。
荷物は重いし、足は痛いし、景色もつまらないし。。。
標高が高くなるほど植物も減り、景色は殺風景に見えます。
そしてだんだんと日が落ちていくので、自分や周りの人のヘッドライトが頼りになってきます。
途中、休んでは水分をとり、休んではチョコを食べ・・・と気分転換をしながらひたすら登りました。
スタートしてから6時間で、ようやく8合目に到着。
この時点で言葉も発せられないほど疲労困憊。
進むか留まるかを決める最後のポイントです。
本当はもう動きたくなかったけれど、ここまで来たからには行くっきゃない!
幸いなことに高山病にもなっていない!
そして雲はあるものの、雲の上は晴れている!
こんな絶好なチャンスはないと思い、進むことを決意しました。
途中、河口湖で開催されている花火大会の花火を、上から見下ろすという幻想的な景色を見れました。
自分たちがいるよりも下の位置で花火が上がっているのです。
まさにaikoさんの「花火」のような体験でした。
また雲に富士山が写る、影富士も見ることができました。
それらの幻想的な風景を見ている間は、疲れを感じないので不思議です。
そしてそこから2時間歩き続け、山頂に到着!
山頂の山小屋で食べた豚汁が身に染み過ぎて、未だに忘れられずにいます。
御来光まで数時間あったので、フリースやらスキーウェアにくるまって仮眠をとりました。
もちろん外でです。
山頂は雪が溶けないで残っているくらいの気温でした。風も強く、体感温度は氷点下だったと思います。
そして次第に周囲が明るくなり、御来光を無事に見ることができました。
あっという間に太陽は上り、太陽が出るとすぐに気温が上昇します。
「太陽って偉大だな」
と改めて太陽の存在に感謝をしました。
そして日の出から三分。
あんなに良かった天気が一瞬で変わり、大雨になりました。
山の天気は本当に一瞬で変わるのでバカに出来ません。
急いでレインウェアを着て下山を始めました。
下山はかなり膝に負担がかかりました。
途中、ヒザが笑う現象を体感できました。
足首を痛めやすいので、一歩一歩に体重を乗せて、しっかりと足を踏み込まないといけません。
そして永遠に続く同じような道。
「あれ?この道さっきも通らなかった?
もしかしたら二度とここから抜け出せないんじゃないの??」
と地獄に迷い込んだかのような錯覚を感じました。
いつの間にか止んだ雨に容赦なく照りつける太陽。
ついさっき感謝したばかりの太陽に対して、うらめしい気持ちが出てしまいました。
でもなんと言っても帰りは気持ちの軽さが全然違います。
下りきったらゴールですからね。
あと少し、あと少しと自分に言い聞かせて、降り続けました。
下山にかかった時間は4時間。
登山の半分で済みました。
無事に下山し、荷物を降ろし、靴紐を緩めた時の安堵感といったら表現のしようがないほど気持ち良かったです。
そして皆で山梨名物のほうとうを食べて帰りました。
全員無事に下山できて何よりです。
おわりに
私で登頂できたので、誰でも登頂できると思います。
ただ、簡単にはいけませんし、一歩一歩の大切さを感じると思います。
また天気と体調だけはどうにもなりませんので、運次第ということもあります。
私は初挑戦以降、計4回富士登山に挑戦しておりますが、登頂できたのは2回です。
1回は高山病になり、8合目で御来光を見て、1回は大雨&雷に見舞われ6合目で引き返しました。
横に走る稲妻を見て、自然の猛威を思い知りました。
そして富士登山をするたびに辛くてキツくて、もう二度としないと思うのですが、1年経つ頃には辛さを忘れてしまい、また登りたくなるんです。
不思議な魅力が富士山には詰まっているんです。
富士登山は本当に良い経験になります。
ぜひ一度は体験していただきたいと思います!
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